「お酒があると会話が弾む」は本当?──コミュニケーション依存と自分らしさ

「シラフじゃ話せないからさ」
「場がもたないから、とりあえず乾杯」
そんな理由でお酒を飲んでいた僕は、ずっと“お酒の力”に頼って人間関係をつないできた気がします。
でも、断酒を始めてみるとふと疑問が湧いてきたのです。
「本当に酒がないと会話ってできないの?」
「お酒があったから“本音”が言えたと思ってたけど、それって自分だったの?」
この記事では、お酒とコミュニケーションの関係を見直しながら、“自分らしく話す”という感覚を取り戻すヒントをお届けします。
なぜ「お酒があると会話が弾む」と思い込んでいたのか?
● 酒=会話の潤滑油という刷り込み
- 社会人になると、お酒の席での交流が当たり前になる
- 「飲み会=親睦」「酔う=打ち解けた証拠」という文化
- CMでも「飲めば楽しい」「会話がはずむ」演出が多い
→ つまり、「飲まないと盛り上がらない」という思い込みが作られていく
● アルコールの作用と“テンションの勘違い”
- アルコールは一時的に不安を麻痺させ、抑制を外す
- 「気まずさ」「緊張」が薄れて、話しやすく感じる
- でもそれは、自分の意思じゃなく脳内物質の作用
結果的に、
「自分で会話してる」というより、“酔い”にしゃべらされていたことに気づかされる
断酒して気づいた、“自分の言葉”で話す難しさと心地よさ
お酒をやめた当初、コミュニケーションはぎこちなくなりました。
- 飲み会の誘いに行かなくなる
- 気の利いた冗談が言えない
- 無言の間が気になって、焦る
でも、それは本当の意味で「自分のまま」話す力が試されているということ。
● 断酒後の会話で得られたもの
- 「ちゃんと考えて話す」ようになった
- 「沈黙を怖がらなくてよくなった」
- 「無理に盛り上げなくてもいい」と思えるようになった
- 「話さなくても一緒にいられる人が、本当の友だちかも」と気づけた
お酒がないと、最初は不安。
でも少しずつ、“素の自分でつながる感覚”が戻ってきます。
お酒なしのコミュニケーションを楽しむコツ
✅ 無理に盛り上げようとしない
沈黙もOK。話すことがなくても、無理に話す必要はない。
気まずさより、「安心して黙れる」空間のほうが貴重です。
✅ テーマがある集まりに参加する
読書会・カフェ会・趣味のワークショップなど、会話の土台がある場だと酒がなくても自然と会話ができる
✅ 書く・伝える練習を日常に
- 日記をつける
- SNSで思いを言葉にする
- ブログを書く
「言葉にする力」を鍛えておくと、いざというとき自然に話せます。
「飲んでる自分」と「素の自分」、どっちと付き合いたい?
お酒の力で会話が弾んでいたとき、僕は“演じている自分”でした。
- 明るくて、よくしゃべって、ノリがいい
- でも帰り道は自己嫌悪。「あんなこと言わなきゃよかった」
- 翌朝はLINEを見返して冷や汗…
お酒をやめて、話し方が変わったかもしれない。
でも今は「嘘をつかなくていい安心感」があるんです。
まとめ|“酒なしでも通じ合える関係”こそ、これから大切にしたい
「酒がないと話せない」じゃなくて、「酒がないときこそ本音が出る」
そんな風に思えるようになったのは、断酒してからです。
本当に大事なのは、テンションじゃなくて信頼。
盛り上げることじゃなくて、一緒にいられること。
お酒に頼らなくても、ちゃんと人とつながれる。
それに気づいたとき、断酒は“孤独”じゃなく“自由”になります。