断酒18日目の気づき|完璧を求めるより、マシな一歩を積み重ねよう

ある夜、冷蔵庫の前で
断酒を始めて18日目。
夜22時、口寂しいと感じた僕は、冷蔵庫を開けてスーパーで買っておいたチョコを一粒、口に入れていた。
「酒を飲むよりはマシだろう。」
そうつぶやきながら、罪悪感をなだめていた。
本当にそれでいいのか? いや、たぶん「逃げ」なんだと思う。でも、同時に「回復」でもある気がしていた。
この小さな選択には、実はすごく大事な意味があるような気がしてならなかった。
酒をやめたらすべてうまくいく?…わけない
断酒を決意したとき、正直どこかで「これで人生が劇的に変わるかも」と期待していた。
・朝スッキリ起きられるようになって
・体重もスルスル落ちて
・お金も貯まって
・自己肯定感も上がる…
ところが現実は、「酒をやめたのに、まだ問題あるじゃん」の連続。
・夜中に甘いものを食べたくなる
・気持ちが沈む日もある
・イライラして他人に当たってしまうこともある
おいおい、酒やめても全然「完璧」になんてなれないじゃないか、と。
「マシなほうへ」の選択を重ねるという生き方
そんなとき、ふと思った。
そもそも完璧なんて目指してなかったはずだ。
僕が求めていたのは、飲酒によって引き起こされるあらゆる不快感からの解放だった。
飲酒していた頃の僕は、深夜にラーメンを食べたあと、さらに缶チューハイを2本飲んで、風呂にも入らず寝落ち。
翌朝、気分も体調も最悪。胃もたれ、自己嫌悪、後悔まみれ。
それと比べれば、今は夜中にチョコをひとかけ食べて、白湯を飲んでベッドに戻るだけ。
たしかに、完璧な健康生活じゃないかもしれない。けど、確実に“マシ”だ。
小さなことかもしれないけれど、体を壊す選択と、体をいたわる選択の違いは、積み重ねたときにとても大きな差になる。
ごまかしでも「傷を広げない」ことが大切
「甘いものに逃げてるんじゃない?」
「それって依存対象が変わっただけじゃ?」
たしかにその通りかもしれない。
でも、問題は“それが自分にとって前向きな回復かどうか”だと思う。
飲酒のごまかしは、脳にも肝臓にも財布にもダメージを与える。
一方で、甘いものを少し食べて気を紛らわせるのは、せいぜいカロリーオーバー程度。
罪悪感も、時間とともに薄れていく。
極端な話、どっちも“ごまかし”なら、「傷を広げないごまかし」を選ぶほうが、はるかに建設的なんじゃないか。
自分を責めない力
断酒生活では、自分に厳しくなりすぎる場面がある。
「甘いものを食べてしまった」
「運動できなかった」
「イライラしてしまった」
そんなとき、過去の自分なら「だからお前はダメなんだ」と責めて、ストレス解消にまた飲んでいた。
でも今は、「よく踏みとどまったよ」と、優しくなれるようになってきた。
完璧じゃない自分を認めることで、また一歩前に進める。
断酒とは、単に“酒をやめること”ではなく、自分と向き合い、許していく旅なのかもしれない。
まとめ:完璧じゃなくていい、マシなほうへ進もう
僕は完璧じゃない。
でも、だからこそ、マシなほうへ進もうとする姿勢には価値がある。
・飲むより甘いものを選んだ
・暴言を吐く代わりに沈黙を選んだ
・逃げたくなったけど、その場にとどまった
そのひとつひとつが「回復」だ。
断酒18日目。
深夜のチョコひとかけと、炭酸水の一杯。
誰にもほめられないような小さな選択だけど、僕にとっては確かな一歩だった。
完璧じゃなくても、マシなほうへ。
これからも、そういう選択を積み重ねていこうと思う。