断酒したら孤独で寂しい…人付き合いが苦手な50代へ|ハードル最小から始める5ステップ
正直に告白します。
僕は昔から、人付き合いというものが苦手です。
もっと正確に言うなら、「シラフで生身の人間と向き合うこと」に、強烈な苦手意識と恐怖を感じて生きてきました。
これまでの人生、初対面の人との会話や、沈黙が訪れた時の気まずさ、自分自身のコミュニケーションの不器用さを、すべて「酒の力」で誤魔化してきました。
僕にとってお酒は、社会という戦場に出るための「武器」であり、弱い自分を守る「鎧(よろい)」だったのです。
だから、断酒を決意してその武器を捨てた今、僕は丸腰で荒野に立っているような心細さを感じています。
今もSNSですら少し壁を感じているのが本音です。本来は一人が好きで、煩わしい人間関係は避けたい。でも、一人で抱え込むと酒に逃げてしまうというジレンマ。
「寂しいから飲んでしまう」
「でも、シラフで人と会うのは怖い」
この矛盾した苦しみの中で、僕がどうやって孤独を飼いならし、少しずつ人との繋がりを取り戻そうとしているのか。
僕が実践している「レベル別・孤独解消ロードマップ」を、実体験とこれからの計画を含めて共有したいと思います。
同じように「お酒がないと人付き合いが怖い」と感じている方の参考になれば幸いです。
なぜ断酒すると孤独を感じやすくなるのか?
本題に入る前に、断酒と孤独の関係について整理しておきます。
お酒をやめると孤独を感じやすくなる理由は、主に3つあります。
1. 飲み会という「社交の場」を失う
日本社会では、飲み会が人間関係の潤滑油になっていることが多いです。「飲みニケーション」という言葉があるように、お酒の席でしか本音を話せない文化が根強くあります。
断酒すると、こうした場に参加しづらくなり、人との接点が急激に減ってしまいます。
2. 「酔った自分」でしか人と関われなかった
僕のように、シラフの自分に自信がない人間にとって、お酒は「社交用の仮面」でした。
酔っている時の明るい自分、饒舌な自分こそが「本当の自分」だと錯覚していたのです。その仮面を外すと、素の自分で人と向き合うことへの恐怖が襲ってきます。
3. 飲酒していた時間がぽっかり空く
毎晩の晩酌、週末の飲み会…これらに費やしていた時間が、断酒すると丸ごと空白になります。
この「ぽっかり空いた時間」に孤独感が押し寄せ、再飲酒の引き金になることも少なくありません。
だからこそ、断酒を続けるためには「孤独との付き合い方」を学ぶ必要があるのです。
【Level 1】情報のインプット〜「自分だけじゃない」と知ることから〜
人付き合いが苦手な僕らが、最初にできること。
それは「誰とも話さず、一方的に情報を得る」ことです。
具体的な方法
- 断酒・減酒ブログを読む
- YouTubeで断酒体験談を見る
- 断酒関連の書籍を読む
- Podcastで体験談を聴く
夜、孤独感に襲われて飲みたくなった時、僕はこれらを見ます。
そこには、僕と同じように酒に溺れ、悩み、苦しんでいる仲間がたくさんいます。
「自分だけじゃないんだ」
そう思えるだけで、孤独の鋭さは少し和らぎます。
Level 1のメリット
- 布団の中で完結する、最もハードルの低い第一歩
- 誰とも話さなくていい
- 自分のペースで情報を得られる
- 深夜でも実践できる
「今夜は飲みたい」という衝動に襲われたら、まずはスマホで断酒系のコンテンツを検索してみてください。それだけで、飲酒欲求が収まることがあります。
【Level 2】SNSでの「文字」のつながり〜顔を出さず、匿名で「つぶやき」から始める〜
次に、少しだけ外の世界に触れてみます。X(旧Twitter)などのSNSです。
ここには「#断酒」「#禁酒」「#ソバーキュリアス」などのハッシュタグで繋がるコミュニティがあります。
SNSでできること
「今日はお酒を我慢できた」
「飲みたい欲求がすごい。つらい」
「断酒○日目、体調が良くなってきた」
そう一言つぶやくだけで、「いいね」がついたり、励ましのコメントがついたりします。
文字だけのやり取りなので、シラフでも落ち着いてコミュニケーションが取れます。
SNSの注意点と対処法
ただ、冒頭でも書いた通り、僕はここでも少し「壁」を感じてしまうタイプです。
- キラキラした投稿を見て落ち込む
- 返信を考えるのが億劫になる
- フォロワー数やいいね数が気になる
- 炎上やネガティブなコメントが怖い
そういう時は無理をせず、「見るだけ(ROM専)」に徹しても十分効果はあります。
投稿しなくても、同じ悩みを持つ人の存在を知るだけで、孤独感は和らぐものです。
おすすめのハッシュタグ
- #断酒
- #禁酒
- #ソバーキュリアス
- #断酒○日目
- #アルコール依存症
- #減酒
【Level 2.5】「利害関係のない第三者」に話を聞いてもらう〜僕が救われた「傾聴ボランティア」という選択肢〜
ここが、今回の記事で一番伝えたい「核」となる部分です。
SNSの文字だけでは埋まらない孤独を感じた時、僕は偶然見つけた「傾聴ボランティア(オンライン)」を利用してみました。
これが、僕の精神安定に劇的な効果をもたらしました。
なぜ「友人」や「家族」ではダメだったのか
僕にも家族や友人はいます。でも、彼らに「寂しい」「辛い」とは言えません。
これは僕だけかもしれませんが、50代の男性というのは、身近な人に自分の「弱さ」をさらけ出すことに、強烈な抵抗を感じる生き物ではないでしょうか。
- 「心配かけたくない」という思い
- 「情けない姿を見せたくない」という小さなプライド
- シラフの状態で知っている相手と深い話をすることへの気恥ずかしさ
一番身近な人にほど心の鎧を脱げないのです。
「他人」だからこそ、鎧を脱げる
その点、傾聴ボランティアの方は僕のことを何も知らない「赤の他人」です。
しがらみがないからこそ、不思議と素直になれました。
アドバイスも説教もされません。ただ、僕がポツリポツリと話すとりとめのない不安を、「そうですか」「それは辛かったですね」と受け止めてくれました。
その時、僕が感じたのは「心の毒が抜けていく」感覚です。
断酒に必要なのは、賑やかな飲み会でも解決策でもなく、「心の中に溜まった澱(おり)を、安全な場所に排出(デトックス)すること」だったのだと気づきました。
傾聴ボランティアのメリット
- 後腐れがない(継続的な人間関係を求められない)
- 自宅から出なくていい(オンライン対応のサービスあり)
- 否定されない(傾聴の基本は「受容」)
- 無料または低価格(ボランティアベースのサービスが多い)
- 予約制で気軽(時間が決まっているので終わりがある)
人付き合いが苦手な僕にとって、これは最強のセーフティネットになりました。
傾聴ボランティアの探し方
傾聴ボランティアは、以下の方法で見つけることができます。
- 地域の社会福祉協議会(社協)に問い合わせる
- 「傾聴ボランティア + 地域名」で検索
- NPO法人が運営するオンライン傾聴サービスを利用
- 「よりそいホットライン」など24時間対応の電話相談
オンラインで完結するサービスもあるので、地方在住の方でも利用しやすくなっています。
【Level 3】オンライン自助会・ミーティング〜「カメラオフ・聞き専」でいい、もっとも気楽な集まり〜
「話すこと」の効果を実感した僕は、次にZoomなどを利用したオンラインの自助会(断酒会やAA)にも目を向けました。
「集団は無理」と思っていたけど…
「集団なんて無理!」と最初は思いましたが、オンラインには「カメラオフ・ミュート(聞き専)」という逃げ道があります。
- 部屋着のままでいい
- 顔を出さなくていい
- 発言しなくていい
- 空気が合わなければボタン一つで退室できる
この安心感のおかげで参加できました。
聞いているだけで癒やされる理由
ここでは会話をしなくても、画面の向こうの誰かの話を聞いて「あ、それ俺だ…」と共感するだけで、孤独が癒やされていきます。
断酒会やAAでは、参加者が順番に自分の体験を話します。その中に必ず「自分と同じ経験」「自分と同じ感情」を持つ人がいます。
他者の言葉を通じて自分の感情を言語化できる。これが自助会の大きな効果です。
オンライン自助会の種類
- AA(アルコホーリクス・アノニマス):匿名性を重視した自助グループ。12ステッププログラムを基盤とする
- 断酒会:実名参加が基本だが、オンラインでは匿名参加可能な場合も
- SMART Recovery:認知行動療法をベースにした自助プログラム
- 各種オンラインコミュニティ:Discord、LINEオープンチャットなど
「AA + オンライン」「断酒会 + Zoom」などで検索すると、参加方法が見つかります。
【Level 4】リアルな「断酒会・AA」への参加〜これからの挑戦〜
さて、ここから先は僕にとっても未知の領域(これからの目標)です。
ネット回線を切って、リアルの会場で行われる断酒会へ行くこと。正直、今はまだ尻込みしています。
リアル参加への恐怖
知らない人だらけの会場に、シラフで飛び込むなんて、想像するだけで胃が痛くなりそうです。
- 何を話せばいいのかわからない
- 場違いな感じがしたらどうしよう
- 知り合いに見られたら恥ずかしい
- 帰りたくなっても帰れない
でも、オンラインにはない「場の強制力」が、断酒を長く続けるためには必要だとも感じています。
自分への言い訳(マインドセット)
行くための自分への言い訳はこうです。
「これは交流しに行くのではない。心の透析(治療)を受けに行くのだ」
仲良くならなくていい。ただその場に行って座り、空気を吸ってくる。
そう割り切って、近いうちに勇気を出して地元の例会場を訪ねてみるつもりです。
その時の様子は、またこのブログで報告します。
リアル参加の見つけ方
- 断酒会:各都道府県に連合会があり、地域ごとに例会を開催
- AA:全国各地でミーティングを開催。「AA + 地域名」で検索
- 病院・クリニックの紹介:アルコール専門外来で情報を得られる
- 保健所・精神保健福祉センター:地域の自助グループ情報を教えてもらえる
【Level 5】趣味のオフ会・コミュニティ〜最終目標:「酒」なしで人と笑い合える自分になる〜
そして、最終的なゴールがここです。
同じ趣味を持つ仲間や、断酒仲間とのリアルな交流(オフ会)。
シラフの自分への不安
今の僕には、一つの大きな不安があります。
「シラフの自分は、話がつまらない人間なのではないか?」
「酒が入っていない飲み会で、沈黙が訪れたらどうすればいいのか?」
これまでコミュニケーションのすべてを酒に頼ってきたツケが、ここに来て回ってきています。
断酒の先輩たちの言葉
でも、断酒の先輩たちは皆言います。
「シラフの会話こそが、本当の会話だ」と。
酔った状態での会話は、実は相手の話を半分も聞いていない。記憶にも残らない。それは「つながっている」とは言えない。
シラフで交わす言葉こそが、本当の意味で人と繋がることなのだと。
50代からの人生リスタート
50代からの人生リスタート。
その象徴として、いつか酒というドーピングなしで、ありのままの自分で他人と笑い合えるようになりたい。
それができた時こそ、僕が本当の意味で「孤独」と「酒」から卒業できた時なのだと思います。
断酒中の孤独対策まとめ:5段階ロードマップ
ここまでの内容を表にまとめます。
| レベル | 内容 | ハードル | 特徴 |
|---|---|---|---|
| Level 1 | 情報インプット(ブログ・YouTube) | ★☆☆☆☆ | 誰とも話さない。一人で完結 |
| Level 2 | SNSでの文字交流 | ★★☆☆☆ | 匿名・文字のみ。ROM専でもOK |
| Level 2.5 | 傾聴ボランティア | ★★☆☆☆ | 1対1・オンライン可。後腐れなし |
| Level 3 | オンライン自助会 | ★★★☆☆ | カメラオフ・聞き専OK。退室自由 |
| Level 4 | リアル断酒会・AA | ★★★★☆ | 場の強制力あり。継続に効果的 |
| Level 5 | 趣味のオフ会・コミュニティ | ★★★★★ | シラフで本当の繋がりを作る |
大切なのは、無理をしないこと。
Level 1から始めて、自分のペースで少しずつレベルを上げていけばいいのです。
50代で断酒する人が陥りやすい孤独の罠
最後に、50代特有の「孤独の罠」についても触れておきます。
1. 「弱音を吐けない」という呪縛
50代の男性は特に、弱音を吐くことに抵抗を感じがちです。「家族を心配させたくない」「部下に情けない姿を見せられない」といった思いが、孤独を深めてしまいます。
対策:利害関係のない第三者(傾聴ボランティア、自助会の仲間)に話すことで、この呪縛から解放されます。
2. 「飲み仲間」を失う恐怖
断酒すると、これまでの飲み仲間との関係が変わることへの恐怖があります。「断酒したら友達がいなくなるのでは」という不安です。
対策:断酒仲間という新しいコミュニティを作ることで、人間関係の空白を埋められます。実際、断酒会で得た仲間は「本当の友人」になることが多いそうです。
3. 「時間が余りすぎる」問題
毎晩の晩酌に費やしていた時間が、断酒すると丸ごと空きます。この時間に何をすればいいかわからず、孤独感が増してしまいます。
対策:新しい趣味を始める、運動習慣を作る、断酒系のコンテンツを見る(Level 1)など、時間を埋める活動を意識的に取り入れましょう。
まとめ:実験は続きます
人付き合いが苦手で、一人が好きだけど、孤独には勝てない。
そんな面倒くさい性格の僕が、どこまでシラフで人と繋がれるようになるのか。
Level 2.5(傾聴ボランティア)までの効果は、自信を持っておすすめできます。
それ以降のステップについては、これからの僕の挑戦を見守っていただければ幸いです。
もし、僕と同じように「酒がないと人付き合いが怖い」と感じている方がいたら、まずは「顔の見えない誰か」に話を聞いてもらうことから始めてみませんか?
それだけで、今夜のお酒を開けずに済むかもしれません。
【補足】断酒と孤独に関するQ&A
Q. 傾聴ボランティアは本当に無料ですか?
A. 多くのサービスは無料です。社会福祉協議会が運営するものや、NPO法人が提供するサービスは基本的に無料で利用できます。一部有料のカウンセリングサービスもあるので、事前に確認しましょう。
Q. 断酒会とAAの違いは何ですか?
A. 断酒会は日本発祥で、実名参加が基本です。AAはアメリカ発祥で、匿名性(アノニマス)を重視しています。どちらも自助グループとして効果的ですが、雰囲気が異なるので、両方試して自分に合う方を選ぶとよいでしょう。
Q. オンライン自助会はどこで探せますか?
A. 「AA オンラインミーティング」「断酒会 Zoom」などで検索すると情報が見つかります。また、アルコール専門のクリニックや保健所でも情報を得られます。
Q. 家族に断酒のことを話すべきですか?
A. 可能であれば話すことをおすすめします。ただ、どうしても話しにくい場合は、まず第三者(傾聴ボランティアや自助会)に話すことから始めてもよいでしょう。一人で抱え込まないことが大切です。
Q. 断酒して人間関係が悪化することはありますか?
A. 一時的に飲み仲間との関係が疎遠になることはあります。しかし、断酒の先輩たちによると、「利害関係だけの付き合いがなくなり、本当の友人だけが残った」という声が多いです。人間関係の「質」が変わると考えてください。
