「酔ってるときが本性?」は本当か?飲酒中の失敗から学んだ“断酒すべき理由”

「酒の席だから…」はもう言い訳にならない
「酒の席だからさ、あんなの冗談だよ」昔の僕は、そう言って何度もごまかしてきた。
失言、失態、無礼講って言葉に甘えて、何人かの信頼を、知らないうちに失った。酒が入ると気が大きくなる。調子に乗る。口が軽くなる。距離感がおかしくなる。
なのに、なぜか「自分は酒癖悪くない」って思ってた。いや──思いたかっただけかもしれない。
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酔ってるときが「本性」って、どういう意味だ?
「人は酔っているときこそ本音が出る」とか、「本性が出る」なんてよく聞くけれど、それを都合よく使ってた。
「だって酒入ってたしな〜」
「シラフの自分とは違うから」
でも最近、ある研究結果を知ってゾッとした。
「アルコールは共感能力を低下させるが、道徳的な判断基準(善悪の認識)は変わらない」
つまり、酔ってても「やっちゃいけないこと」は、わかってる。
わかってるのに、やる。
悪ノリ、暴言、セクハラ、無神経な発言……。
それを「酒のせい」にするのは、実はかなりズルい話だ。
誰にも言われなかった。でも“気づいた”
ある夜、いつものように飲んで、記憶があやふやなまま帰宅。翌朝スマホを見ると、数件のメッセージ。でも誰も、はっきりとは何も言ってこない。
でもその“沈黙”が、逆にきつかった。
笑ってスルーされたような気もするし、あえて何も言わずに“距離を置かれた”ような気もする。
何が正解かわからないまま、ただただ自己嫌悪だけが残った。
その場にいた誰かの「引いた顔」──後からふとした瞬間に思い出して、布団の中で悶絶するやつ。
でも、あの日の僕は、また飲んだ。
酒は“自分らしさ”を出してくれる? いや、ただ鈍くするだけ
「酒を飲むと解放される」「自分が自由になる」
そう思ってた。少し前までは。
でも本当は違った。酒は、“感情”も“共感”も“理性”も鈍くするだけ。
- 人の表情が読めなくなる
- 空気が読めなくなる
- 自分の発言がどう聞こえてるかも気にしなくなる
それを「自分らしい」って思ってた時期もあったけど、今ならはっきり言える。
あれはただの独りよがりだった。
酒乱気質は酒のせいじゃない。“自分の中にあった”
ある本に書いてあった。
「酒を飲んで問題を起こす人は、もともとその傾向がある」
これを読んだとき、めちゃくちゃ反発した。
「俺は普通の人間だ。たまたま酔っただけ」
「ストレスが溜まってたから」「仕事がきつかったから」
でも思い返すと、シラフでもそういう“トゲ”が自分の中にあった。酒はそれを隠すどころか、むしろ表に出す。
酒乱ってのは、「酒が悪い」のじゃなくて、「自分の中にある未整理な感情や歪みを暴くスイッチ」なんだと思う。
断酒は「自分との再会」だった
だからこそ、僕は断酒を選んだ。
過去にも何度か挑戦して失敗したけど、今回は少しだけ「本気の理由」ができた。
- 人との信頼関係を壊したくない
- 小さな自分の良心を、ちゃんと大切にしたい
- 夜に後悔したくない
- 朝、まっすぐ目覚めたい
始めた頃はきつかったけど、不思議なことに、
「もう酒を飲まない」じゃなくて、「もう酒に頼らない」
と考えたとき、心が少し軽くなった。
最後に──失敗してきたあなたへ
ここまで読んでくれたあなたは、たぶん僕と同じように、何度も失敗してきたんだと思う。
飲んで、後悔して、反省して、それでもまた飲んで、落ち込んで……。
でも、それでもいい。
失敗しても、また立て直せる。
言い訳しても、自分と向き合える瞬間はくる。
大事なのは「もう一度やってみる」ってこと。
自分の中の優しさを、酒で鈍らせないために。
誰かの信頼を、未来で取り戻すために。
そして何より──
「自分を嫌いにならない夜」を増やすために。
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あなたに伝えたい言葉
「酒のせい」じゃない。
「自分のせい」でもない。ただ、「これからどう生きたいか」を考えると、
酒はもう、いらない。