「酒は飲んだら飲まれます」自己コントロールが効かなくなる理由とその対策

「酒は飲んでも飲まれるな」なんて言葉がありますが、実際はどうでしょう?
飲み会の場ではついテンションが上がってしまい、気づけば飲みすぎ。翌朝、頭が痛くて起きられず、昨夜の言動にモヤモヤ……。
僕も何度もそんな経験をしてきました。でもあるとき、「そもそも、なんで毎回こうなるんだろう?」と真剣に考えるようになったんです。
その答えは明確でした。酒を飲むと、自己コントロール力がごっそり削られる。
今回はその理由と、医学的な根拠、具体的な対策をまとめてお届けします。
自己コントロールを失う原因は「脳の働き」にあった
アルコールは、脳の前頭葉に影響を与えると言われています。ここは「理性」や「判断力」、「自制心」を司る部分。
この前頭葉が麻痺してくることで、以下のような変化が起きます:
- 普段なら我慢できることが我慢できなくなる
- 自分の言動にブレーキをかけられなくなる
- 記憶が飛ぶ(ブラックアウト)こともある
つまり、飲めば飲むほど“自分らしさ”が奪われていくのです。
アルコールが脳に与える影響(医学的根拠)
◆ 前頭前野の機能低下
アルコールは「前頭前野(前頭葉の一部)」の活動を鈍らせます。
この部分は“理性”や“判断力”、“意志力”の中枢であり、酔いによってこの機能が抑制されると、コントロール不能な状態になります。
- 厚生労働省 e-ヘルスネット:アルコールと脳の関係
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-03-002.html
「アルコールは脳の働きを抑制し、特に前頭葉の機能が低下することで、自制心が鈍くなります。」
◆ アルコール依存のメカニズム
報酬系が刺激されることで「また飲みたい」「やめられない」という回路が強化されていきます。
- 国立精神・神経医療研究センター:アルコール依存症とは
https://www.ncnp.go.jp/nimh/alcohol/about.html
「アルコールは脳内でドーパミンの放出を促し、快感や安心感をもたらします。これが繰り返されると、脳は“酒がないと落ち着かない”という状態に陥っていきます。」
「少しだけのつもりが、気づけば…」になる理由
- 1杯だけのつもりが3杯、4杯と進んでいた
- もう帰るはずだったのに、なぜか2次会にいた
- 翌朝、記憶が曖昧で怖くなる
これは、「飲んだ後」に量を調整しようとするのがそもそも間違っているから。
酔っているときに、自己コントロールは効きません。
飲酒後の「自己嫌悪」と「疲れ」はサイン
飲んだ翌日の不快感は単なる二日酔いではありません。
「またやっちゃったな…」という自己嫌悪、頭痛やだるさといった“心身のダメージ”がセットになって襲ってきます。
対策①:「飲む前」にルールを決める
- ビールは2杯まで
- 21時には帰宅
- 空腹では飲まない
あらかじめルールを設定しておくことで、「つい飲みすぎた」を防ぎやすくなります。
関連記事:家で飲まない習慣が節酒のカギ|飲酒回数を減らすシンプルな方法
対策②:「飲まない日」を増やす
いきなり断酒が難しいなら、「週に2日休肝日」を作ることから始めてみましょう。
炭酸水や温かいお茶など、酒以外の楽しみを増やすのがポイントです。
関連記事:禁酒に失敗しても大丈夫!週2回の休肝日で始める節酒のコツと効果
対策③:「なぜ飲むのか?」を問い直す
ストレス解消、孤独、不安…酒に頼る理由を突き詰めることで、本当の解決策が見えてくることもあります。
関連記事:ストレス解消のための飲酒は逆効果?──飲めば飲むほど心が疲れる理由と断酒という選択肢
おわりに──コントロールを取り戻せば、人生が変わる
「酒は飲んだら飲まれます」──これは比喩でもなんでもなく、事実です。
でも、自分の意思で変わることはできる。
「飲まない自分」「自分をコントロールできる自分」は、必ず取り戻せます。
今日から、一歩ずつ始めてみませんか?
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