えっ、甘いものが肝硬変の原因に!?酒をやめても安心できない理由と肝臓を守る方法

飲酒が原因で起こることの一つに「肝硬変」という病気があります。 肝硬変になると合併症などで様々な病気が引き起こされ、命に関わることも…。
僕は断酒をしているので、肝臓にかかわる病気なんて、もう関係ないもんねー
(*´艸`)ムフーン、てな具合に余裕ぶっこいていたんですけど。
なんと、肝硬変という病気は「甘いもの」の摂りすぎでも起こるという衝撃の事実を知ってしまいました。
禁酒して肝臓が回復する喜びを感じていた僕でしたが、実は、お酒をやめてからというもの、甘いものを欲する頻度が明らかに高くなっていたんです。
これには、禁酒すると甘いものが欲しくなる、ちゃんとした理由がありました。 禁酒の初期段階では、つらい飲酒欲求をごまかすために甘いものを摂るのは、ある意味で有効な手段です。
しかし、肝臓の健康という観点から見ると、今度は「甘いもの」が新たな敵になりかねません。
かといって、禁酒でつらい思いをしている真っ最中に、「甘いものもやめなさい!」なんて言われたら、ストレスで禁酒そのものが嫌になってしまいますよね。
そこでこの記事では、甘いものが肝臓に与える悪影響について正しく理解し、禁酒の努力を無駄にしないための「肝臓にやさしい甘いものの摂り方」を具体的にご紹介します。
上手に糖分と付き合って、禁酒を成功させ、本当の意味での健康な肝臓を取り戻しましょう!
読むより“聞く派”のあなたへ。
この記事の要点を、二人の会話形式で分かりやすく解説しました👇
お酒をやめたのに…なぜ「甘いもの」が肝臓を壊すのか?
「お酒を飲まない人の肝臓は健康」と思いがちですが、そうとは限りません。近年、お酒を飲まない、あるいは少量しか飲まない人にも広まっているのが「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD・ナッフルディー)」です。
これは、甘いものなどで糖質や脂質の摂りすぎが原因で起きる、肝臓に中性脂肪が蓄積した「脂肪肝」の状態を指します。いわば、肝臓の“肥満”状態です。
そして、このNAFLDが進行し、肝臓に炎症や線維化(細胞が硬くなること)が起きると、「非アルコール性脂肪肝炎(NASH・ナッシュ)」という、より危険な状態になります。
NASHを放置すると、一部は肝硬変や肝がんへと進行することがわかっています。
(参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「NAFLD(非アルコール性脂肪性肝疾患)」)
お酒に含まれるアルコールが肝臓で分解されるように、私たちが摂取した糖質(特に、お菓子やジュースに多い「果糖ブドウ糖液糖」などの単純糖質)も、主に肝臓で代謝されます。
使い切れなかった糖質は、肝臓で中性脂肪に変換されて蓄えられます。このプロセスが、アルコールを飲んでいなくても脂肪肝を引き起こし、やがては肝硬変に至る道筋を作ってしまうのです。

「酒をやめたからもう安心」ではなかった!実は糖質の摂りすぎでも、肝臓は静かに悲鳴をあげているんです。
なぜ禁酒すると「甘いもの」が欲しくなるのか?
禁酒中の方が甘いものを欲するのは、意志が弱いからではありません。これには、体内で起こる2つのメカニズムが関係しています。
脳の報酬系の変化
アルコールと糖分は、脳内で「ドーパミン」という快楽物質を分泌させる回路(報酬系)に同じように作用します。
禁酒によってアルコールという刺激がなくなると、脳は代替となる刺激を求めます。そこで、手軽に快楽を得られる「糖分」への欲求が強くなるのです。
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血糖値の乱高下
アルコール、特にビールや日本酒などの醸造酒は糖質を多く含み、血糖値を上昇させます。
長年の飲酒習慣で血糖値のコントロールが不安定になっていると、禁酒によってそのバランスが崩れ、低血糖気味になることがあります。
すると、体は手っ取り早く血糖値を上げるために、甘いものを強く欲するようになります。
つまり、禁酒中に甘いものが食べたくなるのは、ある意味で自然な体の反応なのです。初期段階で飲酒欲求を抑えるために甘いものを利用するのは、禁酒を軌道に乗せるための一つの戦略とも言えます。

甘いものへの欲求は、意志の弱さではなく体の正直な反応。脳と血糖の変化が、その理由をちゃんと説明してくれます。
禁酒を挫折しない!肝臓に負担をかけない甘いものの摂り方 5つのコツ
問題は、その「甘いもの習慣」が長期化し、肝臓に新たな負担をかけてしまうことです。 禁酒のストレスを増やさずに、上手に甘いものと付き合うための具体的な方法をご紹介します。
1.食物繊維の有無で選ぶ!精製された砂糖から天然の甘みへ
同じ「甘いもの」でも、血糖値を急激に上昇させて肝臓に負担をかけるものと、そうでないものがあります。
大切なのは、砂糖の摂取をできるだけ控えつつ、食物繊維を意識して摂ることです。
食物繊維は糖の吸収をゆるやかにし、血糖値の急上昇を防ぐ働きがあります。甘いものを選ぶ際は、「原材料」と「栄養バランス」に目を向けてみましょう。
OKな甘いもの:
○干し芋・甘栗
自然な甘みと食物繊維がたっぷり。腹持ちもよく、間食に適しています。
○果物
ビタミンや食物繊維が摂れる自然な甘みのスイーツ。特にリンゴやベリー類がおすすめです。
ただし果糖を多く含むため、食べ過ぎには注意。ジューサーにかけると繊維が取り除かれるため、血糖値が急上昇しやすくなるので避けましょう。
○ナッツ類
良質な脂質や食物繊維が豊富で、少量でも満足感を得られます。無塩・素焼きのものを選ぶのがベストです。
○高カカオチョコレート
ポリフェノールが豊富で、砂糖の使用量も控えめ。甘いものが欲しいときの強い味方ですが、食べ過ぎには注意しましょう。
○ようかん
原材料が小豆・寒天・砂糖のみのシンプルなものなら、食物繊維も含まれています。ただし砂糖の使用量が多いため、控えめに。どうしても甘いものが欲しいときの“最後の切り札”としておすすめです。
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注意したい甘いもの
以下のような食品・飲み物は、血糖値を急激に上げやすく、脂肪の蓄積や食欲の乱れにつながるため注意が必要です。
- スナック菓子
- 菓子パン
- 洋菓子(ケーキ・クッキーなど)
- 市販のチョコレート
また、次のような「飲む甘いもの」も要注意です。
- 清涼飲料水(炭酸飲料やジュース類)
- 加糖タイプの缶コーヒー
- 一見ヘルシーに見える「市販の野菜ジュース」も、糖分が多いため控えた方が無難です。
基本的に、甘い飲み物はできるだけ避けましょう。
水・お茶・無糖の炭酸水など、血糖値に影響を与えにくい飲み物を選ぶのがポイントです。
2.食べる「タイミング」を工夫する
甘いものを食べるなら、体に吸収されやすい「空腹時」は避けたいところです。
- 食後のデザートとして少量: 食事の後は血糖値が上がりにくいため、ダメージを最小限にできます。
- 運動前に: これから体を動かすというタイミングであれば、糖質がエネルギーとして消費されやすくなります。
3.「量」を決めてダラダラ食べない
「少しだけ」のつもりが、気づいたら一袋空けていた…という経験はありませんか?
あらかじめ「今日はこれだけ」と小皿に取り分けるなど、量を決めておくことが大切です。視覚的に量を認識するだけでも、満足感が変わってきます。
4.「手作り」で甘さをコントロールする
もし余裕があれば、おやつを手作りするのもおすすめです。
自分で作れば、砂糖の量を調整したり、ラカントやオリゴ糖などの体に吸収されにくい甘味料を使ったりする工夫ができます。
5.飲み物で満足感を得る
甘いものが欲しいと感じたとき、実は水分が足りていないだけ、ということもあります。まずは一杯の水を飲んでみましょう。
また、ハーブティーやルイボスティー、無糖の炭酸水なども、口寂しさを紛らわし、リラックス効果も得られるのでおすすめです。

全部我慢しなくてOK!選び方と食べ方のコツを押さえれば、ストレスなく肝臓にもやさしい甘味ライフが送れます。でも、食べすぎは絶対にダメですよ!
まとめ:上手に甘いものと付き合い、本当の肝臓の健康を目指そう
禁酒は、肝臓の健康を取り戻すための、最も重要で効果的な第一歩です。その素晴らしい努力を、甘いものの摂りすぎで無駄にしてしまうのは、あまりにもったいないことです。
しかし、禁酒という大きなチャレンジの最中に、無理は禁物です。
「絶対に食べてはいけない」と我慢するのではなく、「どうせ食べるなら体に良いものを、良いタイミングで」と考えるのが、禁酒成功の秘訣です。
まずは「ジュースをお茶に変える」「お菓子をナッツに変える」など、小さなことから始めてみてください。その小さな成功体験が、禁酒継続の自信にも繋がります。
お酒からも、そして糖分の摂りすぎからも解放された、真に健康な肝臓を目指して、一緒に頑張りましょう!