「もう1杯」が止まらない?つい飲みすぎてしまうクセの正体と、そこから抜け出す方法

「今日は軽く飲むだけ」と思っていたのに、気づけば何杯もおかわりしてしまい、翌朝後悔──そんな経験、ありませんか?
50代の僕自身も、何度もこのループにハマってきました。けれど、その背景には意志の弱さだけではなく、脳の仕組みや環境要因が深く関係していることがわかってきたのです。
この記事では、飲みすぎのクセの正体を脳科学と心理学の視点から解き明かし、今すぐできる具体的な対策を紹介します。お酒と上手に付き合いたいあなたへ、健康と自信を取り戻す第一歩を一緒に踏み出しましょう。
なぜ「つい飲みすぎてしまう」のか?その正体に迫る
1. 脳の「報酬系」がハイジャックされる
アルコールを摂取すると、脳内にドーパミンという快楽物質が放出され、「ご褒美」として記憶されます。これは脳の報酬系と呼ばれる回路が関係しており、脳が「またあの快感を得たい」と学習することで、無意識に飲酒へと向かってしまうのです。
さらに、飲酒を繰り返すと脳はアルコールに慣れてしまい、同じ満足感を得るためにより多くの酒量を求めるようになります。これが“耐性”であり、飲酒量が増える悪循環の始まりです。
2. 理性を司る前頭前野の麻痺
お酒を飲むと、思考を司る前頭前野の働きが鈍り、「もうやめておこう」という理性的判断が効きにくくなります。結果、「1杯だけ」が「もう1杯、もう1杯」となり、気づけば制御不能に。
3. ストレス・環境要因が後押しする
仕事の疲れ、人間関係のストレス、あるいは手持ち無沙汰な夜。こうした心の隙間に、お酒は入り込んできます。家に常にお酒がある環境や、飲み会文化の中では「飲むことが当たり前」になってしまい、自制心を保つのは容易ではありません。
飲みすぎグセから抜け出すステップ
ステップ1:現状を見える化する
まずは、自分の飲酒パターンを客観的に記録しましょう。
- いつ飲んだか?
- どこで?
- どれくらい?
これを「飲酒日記」に書き出すだけで、自分のクセやトリガーが明確になってきます。
ステップ2:飲み方を変える工夫を
- 最初の1杯をノンアルに:乾杯は炭酸水やノンアルビールに。
- 小さいグラスを使う:物理的に飲む量を減らす。
- チェイサーを常備:水と交互に飲むことでペースをコントロール。
- 食事とセットで:空腹での飲酒はNG。ゆっくり飲むことで満足感もアップ。
- 買い置きしない:冷蔵庫にお酒がなければ、飲むまでに“ワンクッション”できます。
ステップ3:別の楽しみを見つける
飲酒がストレス発散になっているなら、代わりの習慣が必要です。
- 軽い運動:ウォーキングやストレッチで気分転換。
- 趣味を深める:映画・音楽・読書・料理など没頭できるものを。
- リラックス習慣:お風呂、瞑想、アロマで心を落ち着ける。
ステップ4:周囲に伝える&環境を変える
- 今日は飲まない宣言:言葉にすることで自分の意志も強くなります。
- 飲み会以外の付き合いを提案:カフェ、ランチ、散歩など。
それでも辛いときは、専門家に相談を
「自分の意志では止められない」「飲まないと落ち着かない」──そんなときは、アルコール依存の可能性も。
アルコール依存症は“意志の問題”ではなく、治療が必要な「病気」です。以下のような症状があるなら、一度専門機関に相談してみましょう。
- 飲酒量を減らそうと思ってもできない
- 飲まないと手が震える、イライラする
- 仕事や人間関係に支障が出ている
【相談先の一例】
- 地域の保健所
- 精神保健福祉センター
- 心療内科、精神科
カウンセリングや認知行動療法、抗酒薬の処方など、治療法は複数あります。一人で悩まず、サポートを受けることも大切なステップです。
まとめ|「もう1杯」を断る力は、工夫で育てられる
お酒にまつわる悩みは、決して“意志の弱さ”ではありません。 脳のしくみ、ストレス、環境──そうした要因を理解し、自分に合った方法で対処していくことが、飲みすぎからの脱却につながります。
僕自身、「また飲みすぎた……」という後悔を何度も繰り返しました。でも、できることから少しずつ取り組むうちに、「飲まない日」の心地よさに気づくようになったんです。
今日が、その第一歩になるかもしれません。自分を責めず、少しだけ視点と行動を変えてみましょう。