「寝酒」は快眠の敵だった──“寝つきが良くなる”の誤解と睡眠の質の真実

寝酒は本当に“眠りの助け”になるのか?
「寝酒でぐっすり眠れる」──そう思っていませんか?
実は僕も長いあいだそう信じていました。けれど、断酒して気づいたのは、寝酒が睡眠の質を大きく下げていたという事実。
この記事では、その理由と、寝酒をやめて変わった僕自身の体験についてお話します。
寝酒が“寝つきが良くなる”ように感じる理由
アルコールには、一時的にGABAという神経伝達物質の働きを強めて、脳の興奮を抑える作用があります。
そのため、飲むと気分が落ち着き、眠気がやってくるように感じるわけです。
でもこれは“自然な眠気”ではなく、“麻痺による強制終了”のようなもの。本来の眠りとはまったく別物です。
「アルコールは確かに寝つきを良くしますが、眠りそのものは浅くなります。また利尿作用による夜間のトイレを多くし、睡眠の質は悪くなります。」
― 厚生労働省研究班報告書「飲酒や喫煙等の実態調査と生活習慣病予防のための減酒の効果的な支援方法に関する研究」
出典:厚生労働省研究班報告書
眠りの質が下がる──レム睡眠の減少と中途覚醒
アルコールを摂取すると、深い睡眠(ノンレム睡眠)の時間が不安定になり、レム睡眠(記憶や感情の整理をする眠り)の割合が減ってしまいます。
また、アルコールが分解される過程で交感神経が活性化し、中途覚醒や早朝覚醒が増えます。
その結果、眠れたはずなのに「なんかだるい」「頭が重い」と感じることが増えるのです。
実体験①:胃もたれとダルさのコンボ
僕の場合、寝酒といっても“飲むだけ”では済まず、必ず何かしらおつまみを食べるスタイルでした。
脂っこいものや味の濃いスナックが多くて、気づけば寝る直前に暴飲暴食。
その結果、朝起きたときは眠気以前に、胃もたれとダルさで最悪の目覚めを繰り返していました。
実体験②:寝酒をやめて3日目に起きた変化
最初の夜は正直キツかったです。寝つきが悪くて、何度も寝返りを打ちました。
でも3日目あたりから、夜中に目が覚めなくなり、朝も「スッ」と目が覚めるように。
「こんなに体って軽かったっけ?」と思えるくらい、朝のだるさが消えていたんです。
寝酒をやめることで得られる3つの変化
- 睡眠の質が向上し、昼間の集中力がアップする
- 中途覚醒や早朝覚醒が減る
- 胃腸への負担が減って体調が安定する
これらはどれも、断酒をして初めて実感できたことでした。
まとめ:「寝つき」を良くするより「眠りの質」を大切に
寝酒はたしかに“眠くなる”効果があります。でもそれは本物のリラックスではありません。
本当に大事なのは、眠りの深さと朝のスッキリ感。
もしあなたが「朝がつらい」「夜中に何度も起きる」ことに悩んでいるなら、寝酒をやめることで、驚くほどラクになれるかもしれません。