アルコールで悩みを消そうとしていませんか?──飲酒が心と体に与える影響と、やめるための第一歩

「つらいことを忘れたい」「不安をごまかしたい」「ちょっとの勇気が欲しい」──そんな気持ちで飲む一杯が、思った以上に大きな代償を生むことがあります。
この記事では、飲酒が心と体に与える影響と、なぜ断酒という選択肢が必要なのかを解説します。掲載するデータを元に、飲酒習慣の変化や、特に若い世代に広がるリスクについても掘り下げていきます。
アルコールで悩みを忘れるのは“対処”ではなく“逃避”
ストレスや悩みから逃れたいとき、アルコールに手が伸びるのはごく自然なことのように思えます。ですが、それはあくまで一時しのぎの「逃避」。
飲酒で得られるのは、せいぜい数時間の気分の高揚や思考の鈍化です。その後に待っているのは、酔いが冷めたあとの現実、そして自己嫌悪や後悔。実際、「嫌なことを忘れるために飲む」「不安をごまかすために飲む」「気が大きくなりたいから飲む」といった“問題解決型飲酒”が広がっており、これは厚生労働省e-ヘルスネットも社会問題として取り上げるほど深刻なものです。
データが示す「習慣的飲酒率」の推移
下記のグラフは、平成元年と令和元年の年代別習慣飲酒率を比較したものです。
図2.年代別習慣飲酒率(男性、平成元年-令和元年)

図3.年代別習慣飲酒率(女性、平成元年-令和元年)

出典:厚生労働省「わが国の飲酒パターンとアルコール関連問題の推移」
このグラフを見ると、平成元年に比べて令和元年で男性の飲酒率は減少していますが、女性の20〜30代の一部で飲酒率が増加しています。特に女性の「悩み」や「不安」をアルコールでまぎらわす行動が増え、精神的な健康被害が報告されています。
僕の周りでも、「不安をまぎらわせたくて飲んでる」とははっきり言わないものの、会話の中で出てくる話題は、将来への漠然とした不安や、過去の後悔に関するものが多いなと感じることがあります。
飲酒が及ぼす健康と社会への影響
アルコールは「百薬の長」と言われた時代もありますが、現代医学ではその害のほうがはるかに大きいことが明らかになっています。
- 肝臓や膵臓への負担(脂肪肝、肝硬変、膵炎など)
- 脳への影響(記憶障害、情緒不安定、依存症)
- 精神疾患の悪化(うつ、不安障害との関連性)
- 依存症による人間関係の破綻
- 飲酒運転・暴力事件など、他人への被害
一杯の酒が、身体の健康だけでなく、人生全体を狂わせる危険を孕んでいるのです。僕も思い返すと、「体も心も疲れてるのに、さらに酒で追い打ちかけてたな」と感じます。
あなたは悪くない。「飲酒=逃げ場」だっただけ
アルコールに頼った過去があるとしても、それって自分を守ろうとした結果だったのかもしれません。
でも、僕はある日「このままじゃ変われないな」と思って、断酒を始めました。ストレスのたびに缶ビールを開けていた自分が、今ではノンアルのハーブティーを飲みながら過ごす夜を心地よく感じています。。
アルコールに頼らず悩みを解決するためにできること10選
1. 🧘♂️まずは深呼吸&ストレッチ
→ 心がざわつくときこそ、体をほぐすと自然と気持ちも緩みます。
→簡単な首・肩回しや呼吸瞑想などでもOK。
2. 🛀 お風呂にゆっくり浸かる
→「飲んでスッキリ」より「温まってリセット」の方が、翌朝がラク。
→好きな香りの入浴剤やキャンドルで気分転換。
3. 📝 モヤモヤを紙に書き出す
→ 頭の中の混乱は「見える化」すると整理しやすい。
→不安、怒り、後悔…何でもいいので、ただ書くだけでもOK。
4. 📱誰かにLINE・Xでつぶやく(もしくは電話)
→ 本音を吐き出すだけでラクになることも。
→信頼できる人 or SNSの共感コミュニティでも◎
5. 🚶♂️外に出て散歩する(なるべく自然の中)
→ 脳がぐるぐるしてる時は、身体を動かして「考えない時間」をつくる。
→風の音や光、景色に意識を向けると自然と落ち着きます。
6. 📚問題の原因を客観視してみる
→ 「今の悩みは過去にも似たことがあったか?」
→「自分のせい」だけにせず、構造的に見直してみる。
7. 🎮没頭できる趣味を探す
→ ゲーム・料理・DIY・ブログ…「今この瞬間に集中する時間」が心の癒しに。
→最初は短時間でもOK。
8. 🍫「ごほうび甘味」で乗り切る(断酒初期に有効)
→ 甘いものは脳を一時的に安心させる効果あり。
→カカオ多めのチョコやナッツ、果物などが◎
9. 🧠 未来の自分に手紙を書く
→ 「この夜を乗り越えた自分は、何を感じてる?」
→断酒日記や自分との対話もモチベ維持に◎
10. 🕊「悩みは消さなくても、軽くできる」と知る
→ 解決できないことは多い。でも、感じ方は変えられる。
→飲まなくても「大丈夫だった夜」を少しずつ積み重ねていく。
まとめ
飲酒は、問題の根本を解決してくれるものではないと、今は実感しています。僕もまだ途中だけど、「飲まない選択」をすることで、少しずつ自分らしさを取り戻せている気がします。
同じように悩んでいる誰かが、この文章を通じて「ちょっとやってみようかな」と思ってくれたらうれしいです。