禁酒・断酒

断酒は一点突破。気合が必要なのは1日たった数秒だけ【50代の戦略的根性論】

断酒は一点突破。焼き鳥屋の前で誘惑に揺れる50代男性が「えいやっ!」と気合を入れて通り過ぎる瞬間を描いた2コマ漫画風イラスト。左コマは不安そうな表情、右コマは決意の表情で一歩踏み出す様子。
炊き技カレー

「よし、今日から断酒する!」

そう決意しては3日で挫折。また決意しては1週間で崩壊。50代になって本気で断酒を考え始めた私は、この繰り返しを何度も経験しました。

当時の私は典型的な「根性論」で酒と戦っていました。飲みたい気持ちを気合で我慢する。誘惑に負けそうになったら根性で乗り越える。まるで修行僧のように、己の意志力だけで戦おうとしていたのです。

結果は惨敗でした。

なぜなら、アルコールは単なる嗜好品ではなく、脳のドーパミンシステムに作用する薬物だからです。気合と根性だけで薬物依存に勝てるなら、世界中のアルコール依存症患者はとっくに治っています。

だから私は方針を転換しました。ドーパミン理論を学び、代替行動を準備し、環境を整える。戦略的・科学的なアプローチに切り替えたことで、ようやく断酒8ヶ月という継続ができるようになったのです。

(関連記事:断酒が続かない理由と3つのトリガー回避法

断酒8ヶ月継続中の私が実は「根性」を使っていた瞬間

ところが、8ヶ月の断酒生活を振り返ってみると、意外な事実に気づきました。

私は根性を完全に捨てていたわけではなかった。

むしろ、戦略的に「ここぞ」というポイントで、瞬間的な気合と根性を使っていたのです。ただし、それは365日24時間気合を入れ続けるような無謀な根性論ではありません。

1点突破の、瞬間的な、ピンポイントの根性です。

その使い分けができるようになったことが、断酒継続の鍵だったと今は理解しています。

断酒継続に気合が必要だった3つの場面【体験談】

1. 初日という名の最大の関門

いくら情報を集めても、理論を学んでも、最後に立ちはだかるのが「初日」という壁でした。

「明日からやめよう」 「来週からにしよう」 「今日は最後の一杯だけ」

何日、いや何ヶ月この言い訳を繰り返してきたかわかりません。アルコールという薬物に支配され続けてきた精神は、理屈だけでは攻略不可能でした。

結局、たった1日を踏み出すために必要だったのは、理論でも戦略でもなく、「えいやっ!」という瞬間的な決断だったのです。

この最初の1日だけは、どんなに準備しても、やはり根性で乗り切るしかありませんでした。逆に言えば、この1日さえ根性で乗り切れば、あとは戦略と仕組みが働き始めます。

(関連記事:断酒初日を乗り切るための具体的ステップ

2. 飲酒欲求が湧いてから消えるまでの「数分間」

これは今でも時々訪れる場面です。

ふとした瞬間に「ああ、ビール飲みたいな」という欲求が湧いてくる。私はこれまで身につけたテクニックを使います。甘いものを食べる、軽くジョギングする、炭酸水を飲む。どれもドーパミンを出して欲求を上書きする科学的手法です。

でも、その対処法を実行するまでの数分間、さすがに根性が要ります。

チョコレートを取りに行く。ランニングシューズを履く。冷蔵庫まで歩く。このわずかな行動を起こすまでの間、「いや、コンビニ行って缶ビール買えばすぐ解決するじゃん」という悪魔のささやきと戦う必要があるのです。

ただし、この根性が必要な時間は長くても5分程度。対処行動さえ始めてしまえば、あとは脳内ドーパミンが勝手に働いてくれます。

(関連記事:飲酒欲求を汗で流す:運動で抑える科学的根拠

3. 街中の誘惑を「通り過ぎる」瞬間

コンビニの酒売り場の前を通過する5メートル。 居酒屋の前を通りかかる10秒間。 焼き鳥屋から漏れ出る炭火の香りとタレの匂い。 同僚の飲み会の誘いを断る3秒の決断。

これらはすべて「通り過ぎれば消える誘惑」です。でも、通り過ぎるまでの瞬間的な根性は必要になります。

特に厄介なのが、焼き鳥屋の前を通ったときです。炭火で焼ける匂いと甘辛いタレの香りが鼻腔を刺激し、瞬時に「焼き鳥にビール」という記憶が蘇ります。脳は過去の快楽体験を鮮明に思い出し、「今すぐ暖簾をくぐれば、あの至福が手に入る」と囁いてくるのです。

でも必要な気合は、その場所を物理的に通り過ぎるまでの数秒間だけ。足を速め、呼吸を整え、視線を前方に固定する。ただそれだけです。

通り過ぎてしまえば、「ああ、危なかった」と思いながらも、誘惑はきれいさっぱり消えています。夏の夕方、コンビニで冷えたビールのポスターを見たときも同じ。その瞬間だけ踏ん張れば、あとは何事もなかったように日常が続きます。

(関連記事:飲酒トリガーを徹底回避する環境設計術

断酒者に共通する「踏ん張りどころ」5つのあるある

私の経験以外にも、断酒者が共通して「ここは踏ん張りどころ」と感じる場面があります。

  • 冠婚葬祭の乾杯の瞬間:周りが一斉にグラスを掲げる中、ウーロン茶で乾杯する10秒間
  • 上司からの「一杯どう?」という誘い:断ると気まずい空気になるかもという不安との戦い
  • 家に一人でいる金曜の夜:「今週頑張ったし、一杯くらい」という思考が湧く瞬間
  • 旅行先の温泉上がり:「旅先だし特別」という言い訳が頭をよぎる数分間
  • 久しぶりに会った友人との食事:「付き合い悪いと思われるかも」という葛藤

これらすべてに共通するのは、必要な根性は長時間ではないということ。どれも数秒から数分の踏ん張りで乗り越えられるのです。

根性の正しい使い方:継続vs瞬間

ここで重要なのは、根性の「使い方」です。

❌ 間違った根性の使い方

  • 365日24時間、飲みたい気持ちを我慢し続ける
  • 戦略も仕組みもなく、ただ「意志の力」だけで対抗する
  • 飲酒欲求が湧くたびに、毎回ゼロから気合を入れ直す

これは確実に燃え尽きます。人間の意志力には限界があり、継続的な我慢は必ずどこかで破綻するからです。

⭕ 正しい根性の使い方

  • 戦略的に準備した上で、1点突破に気合を集中する
  • 「ここだけは踏ん張る」というポイントを明確にする
  • その瞬間を乗り越えたら、あとは仕組みに任せる

私の場合、根性を使うのは前述の3つの場面だけ。それ以外の時間は、環境設計と習慣化に任せています。

例えば:

  • 家に酒を置かない(誘惑を物理的に排除)
  • 夜はジムに行く習慣(代替行動の自動化)
  • 断酒仲間とSNSでつながる(孤独感の軽減)

特に買い物時の環境設計は重要です。酒売り場を通らないルート設定、買い物リストの事前作成、空腹時の買い物回避など、細かな工夫が飲酒欲求そのものを発生させない環境を作ります。

(関連記事:断酒を成功させる買い物・環境設定の5つのコツ

こうした仕組みがあるからこそ、本当に必要な瞬間だけ根性を発揮すればいいのです。

戦略と根性の黄金比率

8ヶ月の経験から、私なりの「断酒の方程式」が見えてきました。

断酒継続 = 95%の仕組み化・習慣化 + 5%の瞬間的気合

この5%をどこに配置するかが、勝負の分かれ目なのです。

95%の部分は、以下のような戦略的要素です:

  • ドーパミン理論の理解と代替行動の準備
  • 飲酒トリガーの特定と回避策
  • 断酒コミュニティとのつながり
  • 健康的な生活習慣の構築
  • 酒以外の楽しみの開発

これらがしっかり機能していれば、普段は省エネモードで過ごせます。そして残り5%の気合を、本当に必要な瞬間に集中投下するのです。

50代の断酒は「根性の戦略的配置」

若い頃なら、勢いと根性だけで1ヶ月くらい乗り切れたかもしれません。でも50代の私たちには、そんな無駄なエネルギーはありません。

だからこそ必要なのは、根性ゼロではなく、根性の戦略的配置です。

  • 普段は仕組みと習慣に任せて省エネ運転
  • いざという時に瞬発力を発揮
  • その瞬間さえ乗り越えれば、また仕組みが働き始める

これが、50代の現実的な断酒戦略だと私は考えています。

断酒を継続させる総合戦略

ここまで「一点突破の根性」について解説してきましたが、断酒継続には根性以外にも様々な要素が絡み合います。

飲酒欲求が湧く瞬間を理解し、それぞれに対処法を準備しておくことで、根性を使う場面そのものを減らすことができます。

(関連記事:断酒が続かない人必見:飲酒欲求が湧く瞬間完全攻略

この記事で紹介した「一点突破の根性」は、あくまでラストリゾート。普段は環境設計と習慣化で飲酒欲求そのものを発生させない仕組みを作り、それでも湧いてきた瞬間だけ、数秒の気合で乗り切るのです。

まとめ:たった数秒の根性が、365日を変える

「断酒に根性は不要」という言葉は、半分正解で半分間違いです。

正確には、「継続的な根性は不要だが、瞬間的な根性は必須」

初日の決断、欲求が湧いた数分間、誘惑を通り過ぎる数秒間。この限られた場面でだけ、思い切り気合を入れればいいのです。

そしてその数秒の根性が、次の24時間を守り、その積み重ねが8ヶ月という継続を生み出しました。

もしあなたが「根性論で失敗し続けている」なら、根性を捨てる必要はありません。ただ、使う場所を変えるだけです。

365日戦い続けるのではなく、1日のうちの数秒だけ戦う。その戦略的な根性の使い方が、50代の私たちには最も現実的なのです。


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このブログの執筆者

沖縄の宮古島で働く50代が、
断酒とダイエットに本気で取り組み、
その実体験を記録しています。

同じようにお酒や体重に悩んでいる方に、
少しでも役立つヒントを届けられれば嬉しいです。

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