50代、断酒して気づいた「本当にやりたかったこと」
正直に言う。52歳になるまで、僕は「自分の手で何かを稼ぐ」なんてことを、真剣に考えたことが一度もなかった。
学校を出てからずっとサラリーマン。会社に雇われて、決められた仕事をして、給料をもらう。それが当たり前だと思っていたし、それ以外の生き方があるなんて発想すら浮かばなかった。
酒を飲んでいた頃の僕は、平日は仕事、夜は酒。休日も二日酔いで半分は潰れる。そんな生活を何十年も繰り返していた。「このままでいいのか」と漠然と思うことはあっても、具体的に動く気力もエネルギーも残っていなかったのだと思う。今振り返ると、あれは思考停止だったんじゃないかとさえ感じる。
断酒して1年4ヶ月が経った今、ようやく気づいたことがある。それは、酒を飲んでいた頃の僕には「自分の手だけでビジネスをして稼ぎたい」という気持ちが、実はずっとどこかにあったということだ。
でも、その気持ちには気づけなかった。酒に時間とエネルギーを奪われ続けていたからだ。
なぜ酒をやめると「気づき」が生まれるのか
これは僕の実感でしかないが、酒をやめると単純に「時間」が増える。それも、体感でいうと倍近く増えた気がしている。
飲んでいた頃は、仕事から帰って酒を飲み始めたら、その日はもう何もできない。翌朝も二日酔いでスタートが遅れる。土日も「昨日飲みすぎたから今日はゆっくり」となりがちだった。1週間のうち、まともに使える時間がどれだけ少なかったか、断酒してから初めて気づいた。
時間ができると、次に起きるのは「考える余裕」が戻ってくることだ。酒を飲んでいる間は、その場しのぎの快楽で満足してしまって、先のことを考える力そのものが鈍っていたんだと思う。断酒してから、久しぶりに「これから先、自分はどう生きたいんだろう」と真剣に考える時間が持てるようになった。
その中で浮かび上がってきたのが、「自分の手で稼ぐ」という、ずっと蓋をしていた願望だった。
YouTubeを始めたのも、その一環だった
このYouTubeチャンネルを始めたのも、実はその流れの一つだ。
最初は断酒の記録として始めたブログや動画だったが、続けているうちに「発信すること自体が、自分の手で何かを生み出す行為なんだ」と気づいた。会社に雇われて指示された仕事をこなすのとは、まったく違う感覚だった。
反応をもらえたり、誰かの役に立てていると分かったりすると、素直に嬉しい。サラリーマン生活の中では味わったことのない種類の充実感だった。これが「自分の手で稼ぐ」という感覚の入り口になったのだと思う。
もちろん、今はまだYouTubeやブログだけで生活できているわけではない。収入の柱は今も会社員としての給料だ。そこは正直に書いておきたい。
故郷の畑を活かしたビジネスへの想い
もう一つ、断酒してから具体的に見えてきたことがある。それは、僕の故郷にある畑を活かしたビジネスをやってみたい、という想いだ。
子どもの頃から当たり前にあった畑の風景。飲んでいた頃は、それを「資源」として見る発想すらなかった。ただの見慣れた景色でしかなかった。
でも断酒して、時間ができて、いろいろなことを調べたり考えたりするようになってから、「あの畑を活かせば何かできるんじゃないか」という発想が自然に浮かんでくるようになった。今すぐ形にできているわけではないが、こういう発想が生まれること自体が、以前の僕にはなかった変化だ。
これは決して大きな計画ではなく、まだ種を蒔いたばかりの段階だ。でも、酒を飲み続けていたら、この種にすら気づかなかったと思う。
「本当にやりたかったこと」は、消えていたわけじゃなかった
こうして振り返ってみると、僕は「本当にやりたかったこと」を新しく見つけたというより、酒に埋もれて見えなくなっていたものを、断酒によって掘り起こしただけなのかもしれない。
「自分の手で稼ぎたい」という気持ちも、「故郷の資源を活かしたい」という気持ちも、たぶんずっと僕の中にあったのだと思う。ただ、酒を飲んでいる間は、その気持ちに気づくための時間も余裕も、根こそぎ奪われていた。
52歳という年齢で、こんな気づきを得るとは思っていなかった。でも、遅すぎるとは思わない。むしろ、断酒していなかったら一生気づかないまま終わっていたかもしれない、と思うとゾッとする。
まとめ
酒をやめたことで得たのは、健康や体重の変化だけじゃなかった。「時間」という資源が戻ってきたことで、自分の中に眠っていた「本当にやりたかったこと」に、ようやく気づくことができた。
まだ道半ばだし、大きな結果が出ているわけでもない。でも、YouTubeでの発信も、故郷の畑への想いも、すべて断酒がなければ気づけなかったことだ。
もしあなたが今、「このままでいいのか」という漠然とした気持ちを抱えているなら、それはもしかしたら、酒に埋もれて見えなくなっている「本当にやりたかったこと」があるサインかもしれない。断酒は、それに気づくための時間を取り戻す一つの方法だと、僕は思っている。
